------------------------------------------------------------------ MaTX 古賀 雅伸 Masanobu Koga koga@matx.org Tokyo Institute of Technology, JAPAN Copyright 2000 Masanobu Koga, T.I.T., JAPAN ------------------------------------------------------------------ ● はじめに  MaTXは科学や工学に必要な数値及び数式計算をサポートする記述性に優れた プログラミング言語です。MaTXは東京工業大学工学部制御システム工学科およ び情報理工学研究科情報環境学専攻において古田勝久教授の支援により古賀雅 伸により開発され,主に制御系の解析・設計・シミュレーションに使われてき ました。  MaTXの処理系にはインタプリタ(matx)とコンパイラ(matc)があります。ライ ブラリやユーティリティなどを含めたパッケージ全体をMaTXと書き,インタプ リタ(matx)と区別します。コンパイラは,MaTXのソースファイル(mmファイル) からC言語のファイルを生成します。生成されたC言語のファイルをCコンパイ ラを使ってコンパイルし,実行ファイルを作成できます。このとき,ユーザの C言語のコードをリンクすることもできます。できた実行ファイルはインタプ リタによる実行より,速度およびメモリの使用効率の点で優れています。  MaTXはC言語で書かれており,UNIXが動くワ−クステ−ション(Sun, HP, MIPS, NEWS, COMPAQ, SGI),PC-UNIX(Solaris x86, BSD/OS, FreeBSD, Linux)や Windows 95/98, Windows NT が動くパソコンで動作します。DJGPP パッケー ジを使えば,PC/AT互換機や国産パソコン(PC9801やEPSON)のDOS上で使う こともできます。また,スーパーコンピュータCRAY C916/12256にも移植され, 動作することが確認されています。(ただし,OSによってサポートされてる バージョンが異なります。)  パッケージに含まれるファイルのうちMaTX-utilに含まれるファイル およびDJGPPのファイル(Windows版の場合)を除くものをMaTX本体とい います。MaTX本体の著作権は古賀雅伸に有ります。「ソフトウェア使 用許諾規定」をよく読んでから使用して下さい。 ● MaTXの特徴 MaTXの特徴として, (1) 行列,多項式,有理関数,多項式行列,有理関数行列などの クラスが標準で提供されており,計算アルゴリズムを簡潔に表現でき, 記述性が高い。 (2) 言語仕様がC言語の仕様と非常に似ているので覚えやすい。 たとえば,制御文(if, else, for, while, do, switch)は全く同じです。 (3) インタプリタだけでなくコンパイラも提供されているので,目的に応じて 効率良く作業を進めることができる。 (4) C言語のプログラムをリンクできるので,今までにC言語で書かれ たソフトウェア資産を活用できる。 (5) EISPACKのアルゴリズムを用いた固有値計算,LINPACKを参照したLU分解, QR分解,QZ分解,特異値分解,RKF45,FFTなどの有用関数が提供されている。 (6) 行列の入力編集を簡単に行うため行列エディタが提供されている。 (7) 常微分方程式で記述される非線形システム(線形システムを含む)の連続系 のシミュレ−ションおよびサンプル値系(連続+離散)のシミュレ−ション を簡単に実行できる. (8) RtMaTX(リアルタイムMaTX)を使えば,実時間制御用プログラムを直接記述 できる。(シミュレーション用の関数をほとんどそのまま使える。) などがあげられます。 ● 動作環境 以下の機種(OS)でソフトウェアの動作が確認されています。 CRAY C916/12256: Cray UNICOS JP4 (PowerPC604): JCC_BSD+ 1.0 NEWS5000X: NEWS-OS 4.2.1R HP 9000/755: HP-UX COMPAQ Alpha: Digital UNIX V4.0 SGI Origin2000: IRIX 6.4 Mips RC6280: UMIPS 4.52C Sun4 series: SunOS 4.1.x, Solaris 2.5.x, 2.6, Solaris7 PC/AT互換機: Linux (2.0.x, 2.2.x) PC/AT互換機: Solaris x86 2.5.x, 2.6. Solaris7 PC/AT互換機: BSD/OS 2.0 PC/AT互換機: FreeBSD 2.2.x, FreeBSD 3.3.x PC/AT互換機: Windows 95/98/NT, (Visual C++ 4.0, 5.0) PC/AT互換機: Windows 95/98/NT, (djgpp 2.01) PC/AT互換機: DOS/V, (DJGPP 2.01) PC9801(NEC): DOS (DJGPP-2.01) ● インストールの方法 インストールの方法は OS や使用するコンパイラにより異なります。 それぞれのドキュメントを参照してください。 UNIX ---> readme.unx Windows 95/98/NT (Visual C++) ---> readme.vc Windows 95/98/NT (DJGPP) ---> readme.dj ● ソフトウェア使用許諾規定 パッケージに含まれるファイルのうちMaTX-utilに含まれるファイル およびDJGPPのファイル(Windows版の場合)を除くものをMaTX本体といい ます。MaTX本体は,著作権を放棄していないいわゆる「フリーソフトウェ ア」です。以下の規定に従って使用して下さい。MaTX-utilに含まれる ファイルおよびDJGPPのファイル(Windows版の場合)については,それ ぞれのライセンスにしたがって使用してください。また,ユーザ数を把握 するため,継続して使用する場合は,ユーザ登録を行って下さい。 「ソフトウェア使用許諾規定」 1.著作権 MaTX本体の著作権を有する著作者は古賀雅伸である。 著作権表示およびバージョン番号の改変を禁じる。 2.使用 本パッケージの公衆への使用に際しては著作者名を表示する。 また,本項は改変,組み込みされたものに関しても同様とする。 3.配布 配布の際,手数料と認められる額を超える金銭の授受を禁じる。 本パッケージを組み込んだソフトウェアの営利目的の配布を禁じる。 4.保証 著作者は,本パッケージの使用に関連して発生するいかなる損害に ついて責任を負わない。また,プログラムに不備があっても,それ を訂正する義務を負わない。 この「ソフトウェア使用許諾規定」は,パッケージを入手した者に 対して適用されます。 ● 最新版の入手先 MaTXの最新版は次のアドレスからanonymous ftpにより入手できます。 ftp.matx.org:/pub/MaTX WWWが使えるならMaTXの最新版および最新情報は, http://www.matx.org/ からたどれます。 MAILしか使えない方は,ftpmailにより入手できます。 ftpmail@matx.org 宛に'help'だけからなるメールを送ってHELPファイルを入手して下さい。 その後は,HELPファイルに従って下さい。 ● MaTXに関するメールアドレス MaTXに関する情報交換の場として,MaTXのメーリングリストを運営しています。 アドレスは, matx@matx.org です。参加希望者は,次のアドレスまで電子メールでお願いします。 matx-request@matx.org 感想およびベンチマーク結果の報告は,次のアドレスまで電子メール でお願い致します。 matx-info@matx.org ● 謝辞 MaTXを移植するにあたって,多くのソフトウェアを利用させて頂きま した。作者,移植者の方々に感謝致します。また,MaTXの開発において 御助言,御指導を賜わりました東京工業大学情報理工学研究科情報環境 学専攻古田勝久教授に感謝致します.