具体的には,インタプリタやコンパイラによる計算の行い方を 紹介した後に,線形微分方程式のシミュレーション方法を紹介します. さらに,非線型システムとしてロボットを取り上げて, その制御方法も絡めながらシミュレーションプログラムの例を 示していきます.
本稿を理解するためには,何らかのプログラミングの経験がすこしは必要です. もしもC言語をご存じならプログラムの流れを容易に理解できるでしょう.
本稿では,最終的にシミュレーションが出来るようになることを 目的としていますので,常微分方程式や行列演算はたびたび登場します. したがって,
非線型システムのシミュレーション例として, 後半では2軸のスカラ型ロボットマニピュレータを取り上げています. すこし難しく感じるかもしれませんが, ロボットに関する予備知識がなくても,運動方程式と想像力があれば シミュレーションプログラムは書けますので,安心してください. PID制御のPIDが何の略かを知っていらっしゃるのなら,余裕をもって 理解することができるでしょう.
本稿はなるべく短時間でシミュレーションを行えるようにする事を めざしているので,登場するMaTXの機能は必要最小限にとどめました. 各所に公式リファレンスマニュアル[1]の 対応個所を付記しておきましたので,詳しい機能について知りたい方は, そちらを参照してください.皆さんの直感力に期待します.