------------------------------------------------------------------ MaTX 古賀 雅伸 Masanobu Koga koga@matx.org Kyushu Institute of Technology, JAPAN Copyright 2006 Masanobu Koga, K.I.T., JAPAN ------------------------------------------------------------------ ● はじめに  MaTX(マットエックス)は科学や工学に必要な数値及び数式計算をサポートする 記述性に優れたプログラミング言語です。MaTXは東京工業大学工学部制御システ ム工学科および情報理工学研究科情報環境学専攻において古田勝久教授の支援に より古賀雅伸により開発され,主に制御系の解析・設計・シミュレーションに使 われてきました。 MaTXの特徴として, (1) 行列,多項式,有理関数,多項式行列,有理関数行列などの 型が標準で提供されており,計算アルゴリズムを簡潔に表現でき, 記述性が高い。 (2) 言語仕様がC言語の仕様と非常に似ているので覚えやすい。 たとえば,制御文(if, else, for, while, do, switch)は全く同じです。 (3) インタプリタだけでなくコンパイラも提供されているので,目的に応じて 効率良く作業を進めることができる。 (4) C言語のプログラムをリンクできるので,今までにC言語で書かれ たソフトウェア資産を活用できる。 (5) EISPACKのアルゴリズムを用いた固有値計算,LINPACKを参照したLU分解, QR分解,QZ分解,特異値分解,RKF45,FFTなどの有用関数が提供されている。 (6) 行列の入力編集を簡単に行うため行列エディタが提供されている。 (7) 常微分方程式で記述される非線形システム(線形システムを含む)の連続系 のシミュレ−ションおよびサンプル値系(連続+離散)のシミュレ−ション を簡単に実行できる。 (8) RtMaTX(リアルタイムMaTX)を使えば,実時間制御用プログラムを直接記述 できる。(シミュレーション用の関数をほとんどそのまま使える。) (9) ソケット用いたネットワーク通信ができる。 (10) フリーソフトウェアである。 などがあげられます。  MaTXの処理系にはインタプリタ(matx)とコンパイラ(matc)があります。ライ ブラリやユーティリティなどを含めたパッケージ全体をMaTXと書き,インタプ リタ(matx)と区別します。コンパイラは,MaTXのソースファイル(mmファイル) からC言語のファイルを生成します。これによりユーザのC言語のプログラムを リンクすることもできます。そして,生成されたC言語のファイルから生成し た実行ファイルはインタプリタより,実効速度・メモリの使用効率の点で優れ ています。 ● 動作環境 以下の機種(OS)でソフトウェアの動作が確認されています。 Sun (Sparc) SunOS 4.1.x, Solaris 2.x, Solaris(7|8) Sun (X86) Solaris 2.x, Solari(7|8) Linux (X86) glibc-2.0, glibc-2.1, glibc-2.2 FreeBSD (X86) FreeBSD 3.3R, FreeBSD 4.0R COMPAQ (Alpha) Digital-Unix V4.0 SGI (R10000) IRIX 6.4 System V Release 4 HP 9000/755 HP-UX CRAY C916/12256 Cray UNICOS NEWS5000X NEWS-OS 4.2.1R Windows 95/98/ME/NT/2000/XP Visual C++ 5.0, 6.0, 2005 Windows 95/98/ME/NT/2000/XP Borland C++ 5.5.1, DJGPP 2.03 DOS DJGPP 2.03 ● インストール方法 インストール方法は OS や使用するコンパイラにより異なります。 それぞれのドキュメントを参照してください。 UNIX ---> readme.unx Windows 95/98/ME/NT/2000/XP (Visual C++) ---> readme.vc Windows 95/98/ME/NT/2000/XP (Borland C++) ---> readme.bc Windows 95/98/ME/NT/2000/XP (DJGPP) ---> readme.dj DOS (DJGPP) ---> readme.dos ● ソフトウェア使用許諾規定 パッケージに含まれるファイルのうちMaTX-utilに含まれるファイル およびDJGPPのファイル(Windows版の場合)を除くものをMaTX本体といい ます。MaTX本体は,著作権を放棄していないいわゆる「フリーソフトウェ ア」です。以下の規定に従って使用して下さい。MaTX-utilに含まれる ファイルおよびDJGPPのファイル(Windows版の場合)については,それ ぞれのライセンスにしたがって使用してください。また,ユーザ数を把握 するため,継続して使用する場合は,ユーザ登録を行って下さい。 「ソフトウェア使用許諾規定」 1.著作権 MaTX本体の著作権を有する著作者は古賀雅伸である。 著作権表示およびバージョン番号の改変を禁じる。 2.使用 本パッケージの公衆への使用に際しては著作者名を表示する。 また,本項は改変,組み込みされたものに関しても同様とする。 3.配布 配布の際,手数料と認められる額を超える金銭の授受を禁じる。 本パッケージを組み込んだソフトウェアの営利目的の配布を禁じる。 4.保証 著作者は,本パッケージの使用に関連して発生するいかなる損害に ついて責任を負わない。また,プログラムに不備があっても,それ を訂正する義務を負わない。 この「ソフトウェア使用許諾規定」は,パッケージを入手した者に 対して適用されます。 ● 最新版の入手先 最新版は次のアドレスからanonymous ftpにより入手できます。 ftp.matx.org:/pub/MaTX Windows版についてはVectorの「Windows」-->「プログラミング」-->「その他」 http://www.vector.co.jp/vpack/filearea/win/prog/other/ からも入手できます。最新情報は, http://www.matx.org/ からたどれます。 ● MaTXに関するメールアドレス 情報交換の場として,メーリングリストを運営しています。アドレスは, matx@matx.org です。参加希望者は,次のアドレスまで電子メールでお願いします。 matx-request@matx.org 感想およびベンチマーク結果の報告は,次のアドレスまで電子メール でお願い致します。 matx-info@matx.org ● ドキュメント MaTXの公式解説書があります。 1. 古賀雅伸: 制御・数値解析のためのMaTX, 東京電機大学出版局 (2000) (301ページB5版 + CD-ROM, 3,500円) ISBN4-501-53100-2 2. 古賀雅伸: Linux・WindowsでできるMaTXによる数値計算, 東京電機大学出版局 (2000) (489ページB5版 + CD-ROM, 5,000円) ISBN4-501-53110-X (1の内容) + 詳細リファレンス + データフォーマット ● 謝辞 MaTXを移植するにあたって,多くのソフトウェアを利用させて頂きま した。作者,移植者の方々に感謝致します。また,MaTXの開発において 御助言,御指導を賜わりました東京工業大学情報理工学研究科情報環境 学専攻古田勝久教授に感謝致します.